広島城 / 中国地方最大・全国8位の広島藩42万6000石のお城

戦国大名の毛利氏が築き、福島氏によって改修され、浅野氏が江戸時代を通して長く治めた広島藩の中心地・広島城です。

広島藩：42万6000石

歴史

■戦国時代

戦国時代の安芸国は、中国地方をほぼ手中に収めた毛利元就の時代に130万石、跡を継ぎ豊臣政権時代に五大老の一人となった毛利輝元が120.5万石で支配する大大名領でした。

毛利氏は山城である吉田郡山城を拠点にしていましたが、1589年、水運を活かすことができる海沿いのエリアに利便性の高い平城を新たに築城して移り住むことにしました。

これが広島城です。

広島城は毛利輝元120.5万石の拠点にふさわしい規模で築かれ、1599年に完成しました。
輝元は石見銀山（石高にすると50万石とも）も所領に含まれていたことから、その実高は200万石近い経済力があったといわれ、毛利氏の黄金時代を築き上げたのです。

そんな毛利氏ですが、1600年の関ヶ原の戦いでは西軍の大将として参戦するも、直接関ヶ原の戦場に赴くことはせず大坂城に留まります。
毛利軍は3万という軍勢を戦わせずに引き上げてしまい、結果として西軍を敗北へ導いてしまいました。

敗戦して徳川家康により長門・周防二国29万8000石（のちに36万9000石）に大幅減封されてしまい、毛利氏は輝元の一代で地方の一大名家（萩城・長州藩）へと転落することとなりました。

■江戸時代

毛利氏が去った後、代わって広島城に入城したのが豊臣秀吉の家臣で賤ヶ岳の七本槍、七将の一人として有名な福島政則となります。
正則は49万8000石で広島藩主として入城し、毛利氏時代に未完成だった部分の城郭を強化して城下町建設にも力を振るいます。

しかし、豊臣恩顧だった福島氏の行動は徳川家康から特に警戒されていました。
1619年に広島城の無断改築を武家諸法度違反として咎められて改易となってしまいます。

新たに広島城には藩主として豊臣政権下で五奉行を務めた浅野長政の次男・長晟が42万6000石で入城します。
以後、明治を迎えるまで広島城は浅野氏広島藩42万6000石の城下町として中国地方一、全国8位の大藩として繁栄します。

お城

広島城は毛利氏が築城した平城です。
大坂城に匹敵する広さや大天守、88基の櫓に守られた強固なお城として瀬戸内海の水運を見越して利便性の高い海沿いに築城されました。

江戸時代は大小天守が連なる連立式の巨大な天守を有し、白壁ではなく板張りの外観が独特な雰囲気を醸し出していました。
毛利氏時代の天守は昭和初期まで現存していましたが、1945年8月15日の原爆で倒壊したため、1958年に再建されて現在に至ります。

毛利氏のその後

120.5万石の大領を大幅に没収され、長州藩29万8000石として江戸時代に突入した毛利氏ですが、新田開発などを進めて幕末には実高100万石近い経済力を有する長州藩の藩主として存続します。

幕末の雄藩は、諸外国との交易により近代兵器を拡充していき、薩摩藩と共に倒幕運動の中心的藩として活動するに至ります（薩摩藩の島津家も西軍側で関ヶ原の敗北を経験しています）。

関ヶ原の減封処分に対する徳川家への不満・怒りが260年経った薩長連合による幕府打倒へと繋がっていったんですね。

旅の想い

広島城大好きなんです！！

広島市には6回、広島城には4回観光目的で旅行しました。
恐らく故郷の大阪城に次いで二番目に多い登城です！

姫路城などの白漆の壁と違い、板張りの外観をした広島城はどこか戦国の匂いを残した武骨なお城のように感じられます。

大大名の居城であり、中国地方最大の街として発展している広島市のシンボルとなるお城は、地域社会にとても根差した存在であり、広島を語るうえで外せない価値を持っています。

広島って1894年の日清戦争の際は日本で唯一臨時首都の役割を果たしたことがある街ですしね！
語りだしたら止まらない魅力的な歴史を有する城下町です！

広島城の石高推移

1581年～1600年：毛利氏 120万5000石時代（外様）
1600年～1619年：福島氏 49万8000石（外様）
1619年～1871年：浅野氏 42万6000石（外様）

お城ギャラリー

天守閣

表御門

二の丸 太鼓櫓

天守からの眺め

広島護国神社