元寇防塁 / 蒙古襲来(元寇)に備えて鎌倉時代に築かれた石の壁

鎌倉時代、蒙古襲来(元寇)に備えて鎌倉幕府が北九州の博多湾沿岸一帯に築かせた約20キロメートルに及ぶ石の壁です。

歴史

鎌倉時代後期の1274年、モンゴル帝国(蒙古・元)による日本侵攻が開始されます。(文永の役
鎌倉幕府は北九州で元軍と交戦し、敵の集団戦法や火薬を使った新兵器に苦戦し一時上陸を許すも果敢に戦いました。

沖合に大船団を停泊させていた元軍ですが、暴風雨の発生に見舞われ船が被害を受けたことで撤退に追い込まれます。
鎌倉幕府は見事撃退に成功したのでした。

文永の役終結後、幕府は蒙古の再来に備えるため博多湾沿岸一帯に上陸阻止を目的とした石の壁(石塁)を築くことを決めます。
この石塁は各地の国にそれぞれ担当個所を割り当てて工事を負担させました。

文永の役から7年後の1281年、元軍は再び日本侵攻を開始して博多湾に襲来します。(弘安の役
この時、戦いに必要な長さの石塁が完成していたこともあり元軍は博多へ上陸することが出来ませんでした。

いったん体勢を立て直すため沖合に停泊している中で運悪く再び発生した暴風雨に巻き込まれてしまい二度目の撤退に追い込まれることになります。
弘安の役終結後、モンゴル帝国では三度目の日本侵攻が計画されましたが国内の内乱対応に注力することになり断念。蒙古襲来は終わりを迎えます。

鎌倉幕府の命により築かれた石塁はその後も続けられた異国警護体制の下、蒙古の再来に備えるため維持・修復を重ねて鎌倉幕府滅亡の前年(1332年)まで工事が続けられました。

現在はほとんどの遺構が地中に埋もれて当時の面影を残す部分はわずかとなっていますが、一部が整備されて観光することができるようになっています。

石塁の特徴

戦国時代のお城に用いられる石垣と異なり、兵士の身を隠す2メートルほどの低い高さではありますが、総延長は約20キロメートルに及ぶとされています。

内部には小石を詰めて、海側の切り立った壁に対して陸側には傾斜を設けた作りとなっています。

旅の想い

現在放送している大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を見ていると、2001年に放送していた『北条時宗』を思い出して懐かしい気持ちになってきました。

『北条時宗』で一番衝撃的だったのが蒙古襲来の場面。
当時の映像技術を考えてもなかなか迫力ある博多湾上陸戦の戦闘シーンが今でも忘れられません。

ということで、お城とは少し異なりますが”石”繋がりということで九州・生の松原地区に残る元寇防塁をご紹介!

九州は見所が多いのでなかなか石塁目当てでこの場に行く機会が持てないかもしれませんが、蒙古との戦に関する数少ない遺構なので一見の価値は大いにあります。
今年は鎌倉時代を深堀する一年にしてみても良いのではないでしょうかね。

(陸側の石塁から海を埋め尽くす元の船団を睨む鎌倉武士目線のショット)



元寇防塁ギャラリー

石碑

生の松原

福岡市の文化財:元寇防塁(生の松原地区)





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