山口城 / 13代藩主・毛利敬親が萩城より移した長州藩の新たな本拠地

長州藩13代藩主・毛利敬親により萩城に代わる新たな本拠地として幕末に築かれたお城。

長州藩：36万9,000石

歴史

■江戸時代

1600年の関ヶ原の戦いで敗北し、中国地方8ヵ国112万石から周防・長門36万石に押し込められた毛利氏は江戸時代を通して長く萩城を本拠としていました。

幕末の1862年、異国勢力の脅威が高まる中、藩論が破約攘夷に転換すると攘夷に備えて指揮が採りやすい内陸部の山口に本拠移転を決めます。

沿岸部の萩城では異国船の艦砲射撃に耐えられないと判断したためです。

山口はかつて当地を治めた大内氏の城下町であり、経済活動や交通の便で優れていました。

政治・軍事の新たな拠点として山口が適地とされ、1863年に山口移鎮は実行されます。

1864年、大村益次郎らの意見も取り入れ、西洋式の稜堡式城郭として山口城（山口御屋形）は完成しました。

直後に起こった第一次長州征伐により幕府軍に攻め込まれた長州方は敗北し、幕府軍の撤兵条件として山口城の破却が命じられます。

13代藩主・毛利敬親はお城の一部を破却した後、萩に謹慎しますが、1865年には再び山口城に戻り本拠としています。

薩摩藩と同盟を結んだ長州藩は息を吹き返し、1866年の第二次長州征伐で幕府軍に勝利。

江戸幕府を倒した後は、戊辰戦争を経て明治日本の中枢で活躍する藩となります。

期間は短かったですが、山口城は長州藩の新たな本拠として幕末の動乱期に十分に機能しました。

1871年の廃藩置県後に城内に山口県庁が置かれ、続く1873年の廃城令で存城となるも同年には廃城となりました。

お城

かつて当地を治めた大内氏の城下町跡に築かれた天守を持たない平城です。

背後の山には詰城（大内氏の高嶺城跡）、西洋式城郭としてお城の周囲には水堀と石垣を築き、御殿や城門、大砲を備えた毛利氏最後のお城として完成しました。

旧山口藩庁門の案内板

山口城の案内板

現在は藩庁門として使用された薬医門や水堀の一部が現存し、跡地には大正以降に建てられた旧山口県庁庁舎・旧山口県議会議堂、現在の山口県庁などが建っています。

旧山口藩庁門

藩庁門裏手

水堀

水堀

山口育児院旧院舎跡

山口育児院旧院舎跡の石碑

東稜堡の基礎石垣

山口県庁

山口県政資料館（旧山口県庁舎）

山口県政資料館（旧山口県会議事堂）

奥に高嶺城跡のある鴻ノ峰の山

旅の想い

ついにやって参りました山口城。

門くらいしか残っていないお城跡ですが、長州藩の新たな本拠地とされたお城なので歴史的にすごい場所なのです。

本拠を移す大藩はそう聞かないケースなので長州藩の思い切った姿勢が伺えますね。

長州藩の石高推移

1600年～1613年：29万8,480石
1613年～1871年：36万9,411石
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＊実高推移
＊1607年：53万9,268石
＊1625年：65万8,299石
＊1687年：81万8,487石
＊1763年：86万95石
＊1867年：97万8,004石

山口城（旧山口藩庁門）の観光情報

観光案内

山口城へのアクセス

◆バス

山口駅前からバスで「県庁前（山口県）」下車後、すぐ

◆車

山口県庁に向かうとすぐ近くにある
※山口県庁駐車場利用