九戸城 / 南部氏家臣・九戸政実が起こした「九戸政実の乱」の舞台

陸奥国 南部氏の有力家臣・九戸政実の居城・九戸城です。

歴史

■築城

九戸氏が居城とした九戸城は、1492年〜1501年頃に築かれた中世の平山城と伝わります。

北奥羽を支配する南部氏の始祖・南部光行は鎌倉時代に源頼朝に与した戦功から陸奥国を与えられ入封。
南部氏の一族として名を馳せていた光行の六男・行連が九戸氏の祖となります。

■戦国時代

1590年、南部一族による同族連合の形を採っていた南部氏のうち、三戸南部氏の当主・信直が南部氏宗家としての地位を時の天下人・豊臣秀吉に認められます。

この南部藩主が南部信直に決まったことを南部氏の有力家臣だった九戸政実は不服とし、1591年に「九戸政実の乱」を起こします。

九戸氏は南部軍の精鋭だったため、南部信直は自力での乱鎮圧を断念。
豊臣秀吉に援軍を要請します。

当時の情勢としては、1590年の小田原征伐で北条氏に勝利した豊臣秀吉が奥州仕置によって東北を平定し、全国統一の目前ということもありました。
「九戸政実の乱」はまさに秀吉の全国統一総仕上げの戦となったのです。

豊臣秀次を総大将に率いられた奥州再仕置軍3万は南部領に進行。
九戸政実は九戸城に籠城し、加勢による総勢6万となった奥州軍が九戸城を包囲して攻城戦を繰り広げました。

少数の軍で防戦した政実ですが、大軍の前に討ち取られる者が相次ぎ、敗色が濃くなる中で奥州軍の浅野長政が遣わせた使者の提示した助命と引き換えに降伏・開城する案を受け入れて降伏します。

九戸城は豊臣方へ引き渡された後、助命の約束は反故とされ九戸実親以下、城内にいた者は処刑され乱は鎮圧されます。

九戸氏の制圧をもって、秀吉の天下統一は完成しました。
その後の九戸城は蒲生氏郷による改修を受けた後、南部家の本城として南部信直に引き渡されて名を「福岡城」と改めます。

■江戸時代

1597年、盛岡城築城に伴い南部氏が居城を移した後もしばらく残城していましたが、江戸時代に入った1636年に廃城となります。

■現代

本丸・二の丸を中心に史跡の発掘調査や整備が進み、春は桜が美しい自然豊かなお城として続日本100名城（104番）に選定されています。

お城

三方を川に囲まれた天然の要害であり、広大な敷地に盛り土した本丸を設け、南東を囲むように二の丸、本丸の西側に三の丸を有した梯郭式のお城です。

かつては堀沿いの土塁と本丸を守る石垣、櫓や大手門、木橋を備える強固な城郭を形成していました。
中でも本丸石垣の一部は東北地方で最も古い石垣と言われています。

お城ギャラリー

九戸城の観光情報

観光案内

※情報引用元：（【九戸城】続日本100名城スタンプラリーのご案内 - 二戸市）

九戸城へのアクセス

■鉄道

東北新幹線・いわて銀河鉄道「二戸駅」下車後、ＪＲバス（二戸病院・軽米病院行）または岩手県北バス（伊保内営業所行）に乗車。
「呑香稲荷神社前」バス停下車、徒歩５分。

■車

八戸自動車道浄法寺インターより約25分、一戸インターより約15分。
※九戸城跡無料駐車場あり

※情報引用元：（日本中世終焉の地-国指定史跡　九戸城跡⇒「地図、アクセス」より）