世界文化遺産であり、国宝の天守を持つ別名『白鷺城』ともよばれる姫路城です。
規模、建物の現存数、美しさ、どれをとっても全国のお城の中で傑出した存在です。
登城した時は乾小天守の特別公開中でしたので、普段見ることのできない小天守からの眺めもご紹介していきます。
見どころ
白く輝く荘厳なお城は圧倒的な存在!
他のお城では味わえない規模の建物、城内、歴史遺構に触れ回ることができます。
天守に登って眺めを楽しむ良し!城内を隈なく歩く良し!城外を時間をかけて歩く良し!
歴史の世界に浸かりきって濃厚な一日を送りましょう!
では、早速登城を開始します!
いざ参らん!
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姫路城の歴史
姫路城は姫路市街地の北側にある姫山の山頂を中心に築かれた平山城です。
■築城期
南北朝時代の1346年、北朝方に与して室町幕府の設立に尽力した赤松貞範は姫山に本格的なお城を築きます。
これ以前にも小規模な砦は築かれていたようですが、姫路城のお城としての起源はこの頃にあると考えられています。
■戦国時代
戦国時代の後期、西播磨で勢力を誇った小寺氏の重臣・黒田氏が姫路城を預かります。
1580年、摂津・近江から中国地方へ勢力を広げる織田信長の配下で、羽柴秀吉が中国地方の毛利氏を攻略するため、黒田孝高(黒田官兵衛)から献上された姫路城に入城します。
秀吉は姫路城に黒い3層の天守閣を築きます。
■江戸時代
1600年、三河吉田城主15万2000石の池田輝政は関ヶ原の戦いで徳川方の西軍として戦功を立てたため、播磨姫路藩52万石に加増移封され姫路城に入城します。
輝政はお城の大改築を始め、9年後に白い大天守閣を有する巨大な姫路城が完成しました。
姫路城は西国の外様大名を監視するための重要な役目がありました。
1617年、第3代藩主・池田光政が幼少を理由に、西国監視の重要な姫路藩を任せることができないと判断され鳥取藩32万石へ移封となります。
※直前に大坂夏の陣で豊臣氏が滅亡したため、大坂城に睨みを利かせる必要がなくなり、体よく外様大名の池田氏を要衝の姫路から山陰地方に移封させたとの説もあります。
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姫路城には徳川四天王の一人・本多忠勝の子・忠政が15万石で入城します。
忠政は三の丸、西の丸などを増築します。
1639年、松平忠明が18万石で入城します。
その後、姫路城には親藩・譜代の大名が入れ替わりで榊原氏、松平氏、本多氏、榊原氏、本多氏、酒井氏と15万石で入城して幕末を迎えます。
■幕末から現代
1869年、廃藩置県が実施されると姫路藩は姫路県、1876年には兵庫県に合併されます。
1931年に天守閣が国宝に指定されます。
1956年より8年をかけて昭和の大修理が行われます。
1993年、ユネスコの世界文化遺産に日本で初めて登録されます。
2009年より6年をかけて平成の大修理が行われます。
お城について
しらさぎが羽を広げたような優美な姿から別名「白鷺城」ともいわれる姫路城。
その美しい姿とは裏腹に、強固な防御線、石垣、堀、櫓、城門、天守を構えた要塞の顔を持つ姫路城には、他のお城とは比べ物にならない特徴が多数存在しています。
国宝に指定されている天守を始め、多数の重要文化財が城内に残り、ユネスコの世界文化遺産に選ばれています。
天守の高さは31.5m、これは復興天守などを合わせると全国5番目の高さ、現存12天守の中では最大の規模を誇ります。
5重6階地下1階の天守群は大天守と3つの小天守が渡櫓で結ばれた連立式天守閣であり、白漆喰の壁と多数の破風で飾られた荘厳な造りです。
これだけの規模と防備を持ちながら、「不戦・不焼の城」として400年間、戦禍に晒されることはありませんでした。
今では姫路市、いや、日本の誇りとして多くの人に愛されています。
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天守群
5重6階地下1階、高さ14.85mの石垣に31.5mの天守が築かれた大天守と複数の小天守が渡り櫓で結ばれた連立式天守です。
白漆喰総塗籠で仕立てられており、防火・耐火・鉄砲への防御に効果を発揮するとともに、結果として白く輝く美しさを放っています。
大天守
姫路城の象徴的存在である中央の大天守。
各種の飾り屋根で装飾された見るからに美しい建築物です。
大天守最上階の刑部神社
東大柱。西大柱と共に大天守を支えている
天守内の壁に設けられた隠し部屋。
万一の落城後、制圧された天守に意気揚々と上がってくる敵将に向けて、最後の抵抗で一撃加えるべく武者が息を潜めて隠れている場所。
見た目の美しさに反して、姫路城の真の恐ろしさを物語っている設備ですね。
乾小天守
3重4階・地下1階の構造で、天守群の北西に位置しています。
最上部の窓が鈴のような形の火灯窓となっていることから、戦向きというよりはお殿様が景色を楽しむために設けられた空間なのではないかとのこと。
西小天守
3重3階・地下2階の構造で天守群の南西に位置しています。
西小天守にも火灯窓が設けられています。
東小天守
3重3階・地下1階の構造で天守群の北東に位置しています。
城門
大手門
高麗門と呼ばれる形式の門で、2本の鏡柱と内側2本の控柱で構成されています。
お城が巨大すぎるせいか、大手門が少し小さく見えますね。
趣のある城門です。
菱の門
二の丸の入口にある櫓門で、天守閣へ向かう際に通る最初の門です。
門の片側が石垣に乗る変わった造りをしており、黒漆と金箔で装飾された格子窓、火灯窓を有する格式高い櫓門です。
天守群以外では姫路城内で最も目を引く巨大建築物ですね。
各地のお城で丸太をむき出しにしたような城門を潜るなんてこと、よくありませんか?
でも姫路城は城門も立派で美しい!
白壁に黒漆と金箔の装飾がとても映えていて、心地よく迎え入れられているのか(お殿様目線)、誘い込まれているのか(敵兵目線)、時々分からなくなります、、、!
西の丸 南門跡
西の丸は本多氏が入奉仕たときに築かれたものです。
渡櫓や化粧櫓があります。
将軍坂 はの門
天守に向かって登坂を進んでいることを気付かされる場所です。
登城路、石垣、狭間の設けられた壁が一度に目に飛び込んできます。
にの門
天守のある本丸に向かうために通る門ですが、潜ろうとすると天井裏から槍で突かれる危険な場所です。
ほの門
いよいよ本丸か、と思わせる光景ですね。
しかし門は小さく狭く、やすやすとは通してくれません。
との一門
移築された門のと伝承があるため、姫路城内の他の門と異なり板張りの造りをした異色の門です。
水の五門
天守閣への入り口です。
門の上に2階の建物が乗っており、堅固な造りです。
貴族の別荘や西洋の宮殿のような歓迎ムードの門ではありませんね。
姫路城は見た目の美しさに反して、戦を想定した要塞なのです。
櫓
大天守から眺める城内の櫓。
渡櫓内部の廊下。
ハの渡櫓
乾小天守と西小天守を結ぶハの渡櫓。
ハの渡櫓の内部。
中央の床板は粗削りで歴史の深みを今に伝えていますね。
ニの櫓
大天守に目が行きがちですが、天守群の下に小さくも立派な櫓が建っています。
化粧櫓
江戸幕府・二代将軍徳川秀忠の長女として生まれた千姫は、はじめ豊臣秀頼の正室として大坂城に嫁ぐも、大坂の陣で豊臣家が滅亡した際に城内から救出されたため、江戸時代には徳川家家臣の本多忠刻に輿入れして姫路城に入城します。
将軍の娘という高い立場ということもあり、輿入れに際してその化粧料は10万石という破格の待遇だったといいます。
化粧櫓は1618年に千姫が輿入れする際に建てられた二重二階の櫓で、内部は畳が敷かれた座敷部屋や床の間を有する奥御殿のような構造でした。
名前の通りお化粧の場として利用したと伝わり、窓からは姫路城の天守閣を一望できる一等地に建てられた格式高い櫓です。
ヌの櫓
石垣の上に建ち、所々木の柱で支えられていることがわかる櫓です。
ワの櫓
西の丸庭園を囲む渡櫓へ入るところにあるワの櫓。
ここから西の丸をぐるっと櫓内から一周します。
イの渡櫓
連立式天守を構成する建物にもイの渡櫓がありますが、こちらは本丸北側の腰曲輪にある櫓です。
石垣
黒田氏、羽柴氏、池田氏、親藩・譜代大名と数多くの城主が入れ替わり入城し、増改築補修が繰り返されたため多くの特徴ある石垣を見ることができます。
羽柴秀吉が入城した頃は野面積み、池田氏が入城した頃は打ち込み接ぎ、江戸時代後半は幕府による城郭改修の制限が加えられたことで補修が中心となり切り込み接ぎの技法が用いられています。
本丸や二の丸、増築された西の丸など、各所で時代ごとの石垣を見ることができます。
三国堀
姫路城を今日見る姿のお城に改修した池田輝政の所領、播磨国・淡路国・備前国の三国に由来する水をためた堀です。
お菊井戸
『皿屋敷』で有名なお菊の井戸が姫路城内にあります。
西の丸
1618年、本多忠刻に嫁いだ千姫の化粧料を元に西の丸が整備されて完成しました。
姫路城天守閣を斜め方向から一番美しく眺めることができる高台の場です。
三の丸広場
大手門を潜り目の前に広がる大広場です。
かつては屋敷が立ち並んだ場所も、今では市民憩いの広場として、姫山の山頂にそびえ建つ天守閣を眺めることができる場所です。
姫路城の観光情報
観光案内
入城料金 | 大人(18才以上):1000円 小人(小学生・中学生・高校生):300円 30人以上(大人):800円 30人以上(小人):240円姫路城・好古園(共通券)の入城料金一覧 大人(18才以上):1050円 小人(小学生・中学生・高校生):360円 |
開城時間 | 午前9時00分から午後5時00分まで(閉門は午後4時00分) |
休城日 | 12月29日・30日 |
100名城スタンプ設置 | 姫路城管理事務所 |
御城印販売場所 | 姫路観光コンベンションビューロー |
※情報引用元:(姫路城公式サイト:ご利用案内)
姫路城へのアクセス
姫路駅前
■鉄道
JR姫路駅、山陽姫路駅から徒歩20分。
■車
登城の際は周辺の駐車場を利用。(姫路城周辺駐車場)
■バス
JR姫路駅北口から神姫バス乗車「大手門前」下車徒歩5分
姫路城の周辺観光
姫路城西御屋敷跡庭園 好古園
姫路城西御屋敷跡の発掘調査で確認された西御屋敷・武家屋敷の遺構を活かして建てられた日本庭園(池泉回遊式庭園)です。
9つの庭園で構成されており、庭園内からは姫路城を望むことができます。
1749年、最後の姫路藩主・酒井氏は前任の地・前橋藩の藩校「好古堂」を姫路入封と共に当地に移します。
『好古園』の由来はこの藩校「好古堂」から因んだものでした。
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水の流れるせせらぎが心落ち着く雰囲気を醸し出してくれています。
潮音斎
御屋敷の庭
癒される雰囲気の園内が続きます。
池の鯉、木々の深み、お城、すべてが目に入る最高の場所です。
泉水に面するお食事処『活水軒』の入口。
武家屋敷の街並みを感じることができる土壁や白壁、連なる築地塀は江戸時代に迷い込んだように感じさせてくれる場所です。
セットでは出せない趣のため、『暴れん坊将軍』『水戸黄門』『るろうに剣心』など、多くの時代劇物のロケ地として利用されたといいます。
好古園の観光情報
入園料 | 大人(18才以上):310円 小人(小学生・中学生・高校生):150円 30人以上(大人):250円 30人以上(小人):120円 姫路城・好古園(共通券)は大人:1050円、小人:360円 |
開園時間 | 午前9時00分から午後5時00分まで(入園は午後4時30分まで) |
休城日 | 12月29日・30日 |
※情報引用元:(好古園公式サイト:姫路城西御屋敷跡庭園 好古園)
姫路護国神社
姫路城の中曲輪内の敷地には、姫路護国神社が建っています。
姫路城・姫路藩の石高推移
1600年~1617年:池田氏 52万石(外様)※1613年に輝政の三男・忠雄に13万石を譲り39万石になる
1617年~1639年:本多氏 15万石(譜代)
1639年~1648年:松平(越前)氏 18万石(親藩)
1649年~1667年:榊原氏 15万石(譜代)
1667年~1682年:松平(越前)氏 15万石(親藩)
1682年~1704年:本多氏 15万石(譜代)
1704年~1741年:榊原氏 15万石(譜代)
1741年~1749年:松平(越前)氏 15万石(親藩)
1749年~1869年:酒井氏 15万石(譜代)
お城ギャラリー
深みのある青空と夏の雲が白いお城に映えますね。
天守の有無に関わらず、お城って斜め方向から眺めるのが特に美しい!
個人的にこの眺め方を「角の美学の追求」と呼んでいます!笑
石垣、塀、櫓、門、天守、すべてが一枚の写真に納まる贅沢な場所!
天守閣の壮大さに圧倒されます!
お殿様になった気分の眺め!
姫路城を大切に想い、綺麗に整備された姫路の街の美しさに感動します!
各所に武具が並んでいるのを見ると、改めてここが戦を想定した場所なんだということを思い出します。
姫路駅側と真反対の景色。
木々山々の自然豊かな景色が広がり、こちらも心落ち着く眺めです。
乾小天守から大天守を眺める。
現代の私たちが見てもこれだけ圧倒されるのだから、当時のお殿様はお城が完成して始めてこの景色を眺めた時はさぞ驚いたことでしょう!
多数の建物が残る姫路城は圧巻!
他のお城では味わうことのできない江戸時代のお城の雰囲気を十二分に味わうことができます。
各時代に天守に上っていた歴代鯱たち!
動画で観光ツアー
いかがでしたか。
姫路城は魅力満載の日本のお城です。
是非、春夏秋冬四季折々の姿を見せてくれる姫路城を訪れてみましょう!
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